北村有起哉×仲間由紀恵──ついに離婚へ…涙の決断と残された“余白”とは【小さい頃は、神様がいて】
北村幸が演じる渡ると仲間幸えが演じる アー。この2人の関係はドラマの序盤から ずっと視聴者の胸を締めつけてきた。どれ ほどすれ違っても言葉にできない思いが まだ残っているように見えていたからだ。 しかしついに物語は大きな転換点を迎える 。離婚届けの封筒が画面に移し出された 瞬間、視聴者の心には誰もが予感していた 。終わりの気配が広がり、SNSでもと々 来てしまうのか、まだ間に合ってほしいと いう叫びが相ついだ。2人の距離はもう 後戻りできないところまで来てしまったの だろうか。渡はこれまでどこか不器用で 感情を表に出すことが得意ではなかった。 仕事に追われ家庭に向き合う余裕を失い、 案に対して悪気のない無関心を積み重ねて しまった。それがどれほど彼女を傷つけて いたのか小心も分かっていなかった。だが 離婚が現実となった今ようやく渡るは自分 がしっていた後悔と向き合い始める。深夜 1人でリビングに残された湯みに手を 伸ばすシーンは多くの視聴者がもう遅いの 。トムを締めつけられた名場面だ。一方、 安は対象的にずっと家庭を守るために自分 の感情を押し殺してきた女性だ。笑顔で いることで家庭が守られると信じていたが 、いつしかその笑顔は自分を守るための 鎧いに変わっていた。彼女が静かに涙を 流しながらもう笑っているだけではいられ ないとつぶやく姿は強さと弱さを同時に 抱えた仲間行きへの演技が光る瞬間だった 。その言葉は長い年月を共にしてきた夫婦 だからこその深い痛みを移し出している。 2人が離婚届けを前に向き合うシーンは まさに最終決戦とも言える緊張感に満ちて いた。案が静かに言葉を選びながら 積み重なった思いを丁寧に語る姿に昭和 ただ俯け。言いたいことがあるのに言葉に ならない。視聴者の多くが渡る。そこで 一言言ってほしい。ずっと言えなかった 気持ちを今こそ伝えてと願った瞬間だった 。だが渡るがようやく口を開いてもその 言葉はどこか遠回りで決定的な思いを 伝えるには弱すぎた。そして離婚届けに サインをするかしないかという瀬戸際で案 の手が震える瞬間がある。あの細かな演技 に多くの視聴者が息を飲んだ。まだ迷いが ある。まだ終わりたくない気持ちが残って いる。しかし、その迷いを押し殺して書か れた一文字一文字が2人の歩んできた年月 の重さを物語っていた。紙の上に天先が 触れるか触れないかというあの一瞬の間、 そこにこそこのドラマの確信が詰まって いる。渡るは最後までこのまま終わらせ たくないという目をしていた。だがその 願いを言葉にできないまま安に背を向け られ、静かにドアが閉まる音だけが残る。 その音は視聴者にとっても象徴的な終わり の金のようだった。だが同時にこの2人は 本当にここで終わりなのだろうかという 疑問を抱かせる余因も残している。感情を 飲み込んだ渡の横顔にどこか未練と決意の 入り混じった影が落ちていたからだ。 ドラマでは離婚を決断した案の強さが丁寧 に書かれている。自分を大切にすることは 決して逃げではなく、むしろ生き直すため の勇気であるというテーマが込められて いる。視聴者からもこの決断は強い。自分 も同じ経験をしたから胸に刺さるという 共感の声が相ついだ。離婚という選択は ただ関係を立つだけではなく、新しい自分 を始めるための選択でもあるのだ。しかし 、それでも渡るの後悔と喪失感を書いた 後半部分は見ていて胸が張り裂けそうに なる。あんのいない部屋を見つめ、2人で 撮った写真をそっと手に撮る渡るの姿は 言葉以上に多くを語っていた。日常の何気 ない瞬間がどれほど掛けえのないものだっ たか。渡れを失って初めて気づいてしまっ た。あまりにも遅すぎる気づきだが、そこ にこそ現実の夫婦が抱えるリアルがある。 物語の終盤渡るが1人で向かった場所が案 の実家近くの古い神社であることに多くの 視聴者が驚いた。2人が出会った頃によく 訪れた思い出の場所。小さな鈴の音が響き 、渡るが目を閉じて願った。たった1つの 願い。その願いが何なのかは明確に書かれ なかったが、視聴者は皆その言葉を想像せ ずにはいられない。案が幸せであります ようにそれが渡るの最後の願いだったのか もしれない。そしてラストシーン。離婚は 成立した。しかしアが夕暮れの道を歩き ながらふと振り返るカットが映し出される 。その表情には痛みとそしてほんの少しの 優しさが混ざっていた。完全に切り捨てた わけではない。完全に忘れたわけではない 。2人の物語はここで終わるのか、それと も別の形で続くのか。視聴者を静かに 揺さぶる余白が残されている。だからこそ この別れのシーンはただの悲劇では終わら ず2人がそれぞれの人生を歩むための最 出発の物語として多くの心を掴んで話さ ないのだ。
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