追悼・尾崎豊… 妻・繁美が語った夫の裏切りと薬物依存、なぜ彼女は最後まで彼を支え続けたのか?夫婦愛の真実
迷うように治をたどり詰めたい部屋に転がり込む。 1988年9月12 日、東京ドームを埋め尽くした 5万6000 人の熱記が巨大なドームの空気を振わ。一瞬の静寂が訪れる。 [音楽] そして全ての光がステージ上の一点に集中 した時、そこに1人の青年が立っていた。 小崎豊か、 まだ22歳のはかきカリスマ 彼のシャウトが沈黙を切り裂く 1局、また1局と魂を削るように歌い 続ける。 その姿はまるで時代の苦悩と若者の叫びを 一心に背負った傷だらけの救世のようだっ た。 観客は熱狂し涙 彼の言葉の1つ1つに自らの人生を重ねて いた。 それは単なるコンサートではなかった。 1つの時代を象徴する伝説の夜だった。 この輝きは永遠に続くと 誰もが信じていた 彼自身もそして彼の隣にいた1人の女性も だがこの夜からわずか4年後 1992年4月25日 日本中を信じがいニュースが巡った 小崎豊 子教 26歳というあまりにも早すぎる死だった 公式のシーンは排水。 しかし 彼の遺体には不審な技がいくつも残されて おりその死は多くの謎と憶測を呼んだ。 時代の大弁者 若者の神とまで呼ばれた男のあまりにも 突然で不可快な最後。 日本社会は深い喪失感と大きな衝撃に包ま れた。 そしてその混乱の渦の中心に1人の女性が いた。 彼の妻 し 天才の伴侶として彼の栄光をすぐ側で見て きた女性。 しかし 夫の死護彼女に向けられたのは道場の声 ばかりではなかった。 一部のメディアやファンからは冷たい疑惑 の目が向けられる。 なぜ彼は死んだのか。 妻としてなぜそばにいながら彼を救え なかったのか。 彼女は夫を失った悲しみにくれる間もなく 世間からの激しい避難の嵐にたった1人で さらされることになった。 1人の天才を心から愛した1人の女性。 しかし 彼女が向き合わなければならなかったのは 夫の輝かしい才能だけではなかった。 それは夫の裏切り。 そして心と体を蝕ばんでいく 薬物依存という名の底なしの闇。 なぜ彼女は彼の元を去らなかったのか。 なぜ夫に裏切られ、心を踏みにじられ、時 には暴力を振われながらも最後まで彼を 支え続けることを選んだのか。 それは世間が語るような単なる献心 や忍耐 だったのだろうか。 それとも天才の妻として生きることを選ん だものの逃れられない宿命だったのだろう か。 彼女が守りたかったものは一体何だったの か。 そして彼女が最後まで信じ続けた夫婦 の真実とはどのようなものだったのか。 この物語は小崎豊かという天才を一方的に 進格化したり断罪したりするものではない 。 これは彼の妻しの視点を通して1人の人間 が愛と絶望の狭で何を見、何を感じ、 そして何を選んだのかを深く深く理解する ための旅である。 彼女自身の言葉にその全ての答えが隠され ている。 全ての物語の始まりの場所へ。 我々は時を遡ります。 小崎豊かという伝説がまだその助賞を紡い でいた頃。 1984年 冬 後に彼の妻となる石川茂はまだ16歳の 少女だった。 友人に誘われ、軽い気持ちで足を運んだと あるライブハウス。 そこで彼女は運命と出会う。 ステージの上にいたのはデビューした ばかりの18歳の小崎豊か。 テレビで見るスターのような華やかさは ない。 むしろどこか危うで今にも壊れてしまい そうなほどの繊細さを漂わせている。 しかし一度彼が歌い始めるとその場の空気 が一変した。 彼の声はただの音楽ではなかった。 それは槍り場のない起こり、言葉になら ない孤独、そして純粋すぎるほどの愛を 求める魂の叫びだった。 しみはその姿に釘付けになった。 彼女は後にその時の衝撃をこう語っている 。 彼の歌には嘘がなかったんです。 ただひたすらに自分の心をさらけ出して いる そんな気がしました。 その日を境いに彼女の世界は小崎豊かを 中心に回り始めた。 だが2人の道が直接交わるまでにはもう 少しの時間が必要だった。 はごく普通の高校生としての日々を送る。 一方の小崎はファーストアルバム17歳の 地図 を発表し、また琢間に若者たちのカリスマ へと駆け上がっていく。 彼の歌は大人たちが作り上げた社会の疑慢 に傷つき、生息生き苦しさを感じていた 若者たちの心を静かみにした。 がこうや家庭に居場所を見つけられない 少年少女たちは彼の音楽の中に自分たち だけの解放 を見い出したのだ。 しかし その熱狂が大きくなればなるほど小崎自身 の心は世間が作り上げた小崎豊かという 挙像とのギャップに苦しみ始めていた。 彼は反抗と孤独のアイコンとして祭り上げ られた。 だがその素顔は人一倍寂しがりやで、誰か のぬくもりを求めずにはいられない。ごく 普通の青年でもあった。 このあまりにも巨大な輝きとその裏に潜む 深い孤独。 それこそが彼の人生を貫く光と影の正体で あり身 がこれから向き合っていくことになる。 長い戦いの始まりでもあった。 運命の歯車が再び動き出す。 2人が初めて言葉をかわしたのはとある テレビ局の廊下だった。 偶然の再会。 ち茂身は緊張しながらもずっと伝えたかっ た思いを口にした。 いつも歌を聞いています。 たくさんの力をもらっています。 その言葉を聞いた時の小崎の表情をしみは 生涯忘れることができなかったという。 それはステージの上で見せる厳しい顔では ない。 まるで 自分の存在をようやく認めてもらえたかの ようなアンドと戸惑いが入り混じった少年 のような笑顔だった。 この瞬間 ステージ上のカリスマと客席にいた1人の 少女は1人の男性と1人の女性として ようやく向き合うことになったのだ。 ここからの日々は夢のようだったとしみは 語る。 2人はごく普通の恋人たちのように たくさんの時間を共に過ごした。 小崎が彼女に当てて書いた手紙は彼の歌詞 の世界そのものだった。 武器用で真っすぐでそしてアフレばかりの 愛情に満ちていた。 彼はしみの前では世間が求める反逆の カリスマである必要はなかった。 彼はただ愛する女性の前でありのままの 自分でいることができた。 茂身は彼の弱さももろさも子供のような 純粋さもその全てを愛した 彼女は自分が彼にとっての安全な港とに なりたいと心から願うようになる。 この人を守れるのは私しかいない。 その思いはやがて彼女の生きる意味その ものへと変わっていった。 2人が結婚を決意するのに多くの時間は かからなかった。 1988年5月12日、 周囲の反対を押し切り、2人は硬い絆で 結ばれる。 それはしみにとって幸福の絶調だった。 彼女は信じていた。 この愛があればどんな困難も乗り越えて いけると 彼が抱える深い闇も自分の愛で照らすこと ができると。 しかし 彼女はまだ知らなかった。 彼らがこれから歩む道がどれほど過酷な ものであるかを。 として彼の中に潜む 影 がやがて2人の愛をそして小崎豊か自身を 飲み込もうとする巨大な怪物であることを この結婚は幸福なゴールであると同時に 悲劇的な物語の本当の幕明けでもあったの だ。 幸福の絶調だったはずの結婚生活。 しかし その光が強ければ強いほどすぐそばに潜む 影もまたその濃さを増していく。 2人が夫婦として歩み始めた夜しみは夫の 中に潜む荒がいがい闇の存在に気づき始め ていた。 それは小崎が時折り見せる蒸気を一致した 行動だった。 些細なことで月行し、部屋中のものを破壊 する。 そしてその後にはまるで迷子になった子供 のようにただひたすらに泣きじくる。 その姿はしみが愛した繊細な青年と得体の 知れない破壊者が同居しているかのよう だった。 しみは混願した。 何が彼をそこまで追い詰めるのか。 自分には何ができるのか。 彼女はただ必死に彼をなめ 抱きしめることしかできなかった。 彼女はまだその行動の裏にある本当の原因 を知らなかったのだ。 そして運命の日は突然訪れる。 1987年12月22日茂身 が自宅で夫の帰りを待っていた時1本の 電話が鳴った。 それは警察からのものだった。 受から聞こえてきた言葉に彼女は耳を疑っ た。 ご主人の小崎豊かさんを覚醒剤取り締まり 法違反の容疑で逮捕しました。 覚醒剤。 その言葉がしみの頭の中で意味を結ぶまで には長い時間がかかった。 とがあの小崎豊かがなぜ 理解が追いつかない 思考は完全に停止し、 ただ心臓が氷のように冷たくなっていくの を感じた。 彼女が信じてきた愛の世界が足元から ガラガラと崩れ落ちていく音がした。 メディアは一斉に小崎豊か覚醒剤で逮捕と 報じた 若者のカリスマ時代の大弁者という 輝かしいイメージは一夜にして地に落ちた 。 世間は彼を裏切り者 と呼び激しいバッシングの嵐が吹き荒れる 。 はその嵐のまった中でたった1人 立ち尽くすしかなかった。 数日後、彼女は高知書にいる夫との面会を 許された。 アクリル番1枚を隔立隔立てた向こう側に 座る小崎はしみが知る彼の姿ではなかった 。 痩せこけ を失い、ただうろめで中を見つめている。 しみが言葉をかけると彼はようやく顔を あげた。 そして絞り出すような声でこう言った。 ごめん。 本当にごめん。 その瞬間しみの中で怒りや絶望といった 感情は全て消え去ったという。 彼女の目に移ったのは罪を犯した犯罪者で はない。 ただあまりにも純粋すぎたがゆえに現実の 銃圧に耐えきれず禁断の力に手を伸ばして しまった1人の弱くて孤独な人間だった。 しみは涙をこらえながら彼に力強く 語りかけた。 大丈夫? 私がいるから。 何があっても私がそばにいるから。 面会室を出た時、し身の心は固く決まって いた。 彼女は後にこの時の心境をこう書きして いる。 私は彼の犯した罪を肯定するつもりは妄通 ない。 しかし、彼という人間を見捨てることは私 にはどうしてもできなかった。 この人を孤独にしてはいけない。 この人の帰る場所は私が守らなければなら ない。 この瞬間 彼女の中で単なる 愛情 はより重い使命江とその姿を変えたのだ。 それは夫を構成させ、再び輝く場所へと 戻す という あまりにも重くそして果てしない使命だっ た。 彼女は弁護士を探し、関係者に頭を下げ、 夫の釈法のために本送した。 世間の冷たい視線にも耐え続けた。 なぜなら彼女は信じていたからだ。 夫は根っかの悪人ではない。 彼が本当に必要としているのはさきの言葉 ではなく、ただより添い信じ続けてくれる 。たった1人の人間の存在なのだと。 この事件は2人の関係にとって最初の そしてあまりにも大きな試練となった。 それはしみが抱いていた。愛があれば何で も乗り越えられる。 という幻想を無惨にも打ち砕いた。 彼女は愛だけでは救えない人間の心の闇の 深さをこの時初めて思い知らされたのだ。 しかし皮肉なことにこの絶望的な出来事 がっ て2人の絆を強く結びつける結果となる。 茂は夫の共犯者ではなく守護者になること を選んだ。 彼女の献心的な支えがなければ小崎豊かと いう才能はこの時点で完全に社会から抹殺 されていたかもしれない。 だがこの守護者という役割こそがこれから しみ自身をさらなる苦悩の迷宮へと誘って いくことになる。 彼女は夫を救うという使命感に自らの人生 の全てを捧げる覚悟を決めた。 その先に想像を絶するほどの裏切りと さらなる地獄が待っていることなどまだ 知るよしもなかったのである。 夫の逮捕という絶望の縁から1年 しみの献心的な支えとファンの変わらぬ声 を受け崎 豊かは奇跡の復活を遂げようとしていた。 この部隊として用意されたのは日本の全て のアーティストが夢見る場所。 東京ドム 1988年9月12日。 その日は単なる復活コンサートではなかっ た。 これは一度は地に落ちたカリスマが自らの 力で再び立ち上がり、その存在を証明する ための聖なる儀式でもあった。 チケットは即売。 ドームを埋め尽くした5万6000人の 観客は片ずを飲んでその瞬間を待っていた 。 誰もが不安と期待を胸に泣いていた。 果たして彼は本当に変われたのだろうか。 かつての輝きを取り戻すことができるの だろうか。 しみもまたステージの袖から祈るような 気持ちで夫を見つめていた。 そしてコンサートは始まった。 ステージに現れた小崎は以前よりも少し 痩せたように見えたが、その瞳にはかつて ないほどの強い光が宿っていた。 彼の第一世がドムの空気を振わせる。 長い間心配かけてごめん。 でも俺はこうして帰ってきた。 その叫び声に答えるように地のような感性 が湧き起った。 彼は歌った アイラブユ では愛の不遍性を 15の夜では日の相を そして僕が僕であるために では存在をかけた魂の誓いを その歌声は以前よりもさらに深く重く そして優しく響きは立った。 それは罪を犯したことへの食材であり、 支えてくれた人々への感謝であり、そして 何よりも再び歌えることへの喜びそのもの だった。 し身の目からは涙が止めどなく流れた。 謝ちを犯した夫。 世間から石を投げられた夫。 しかし、彼は決して逃げなかった。 自らの音楽の力で全てを乗り越えようとし ている。 その姿はし身の目には世界で最も毛高く 美しいものに移った。 この日のコンサートは大成功を納め、伝説 の夜として今名なを語り継がれている。 小崎豊かは完全復活を遂げたのだ。 しみはようやく暗いトンネルを抜け光が 差してきたのだと心から信じた。 これからはきっと穏やかな日々が待って いる。 夫と共に新しい人生を歩んでいける。 彼女の心は久しぶりに安らぎと希望に 満たされていた。 この輝かしい成功が次なる絶望への長い 除極に過ぎないことなど知るよしもなく 東京ドムの成功は小崎に絶対的な名星を 取り戻させた。 彼は再び時代の長事となった。 しかし茂身 が望んでいた穏やかな日々 は訪れなかった。 夫が家に帰らない日が増えていく。 連絡が取れない夜が何度もあった。 しみは不安を打ち消すように自らに 言い聞かせた。 彼は忙しいんだ。 復活したばかりで仕事が山々なんだ。 彼女は夫を信じようと必死だった。 1度は道を外した彼が再び謝ちを犯すはず がない。 あの東京道務での近いは本物だったはずだ 。 だが彼女の心の中に生まれた小さな疑念の 種は日うごとにゆっくりとしかし確実に目 を出し始めていた。 そしてその疑念は最悪の形で現実のものと なる。 それは1冊の週刊誌によって白実の下に さらされた。 ここには信じがいしが踊っていた。 小崎豊か人気女優 斎藤行と深夜の密会 不倫の恋事 には楽しそうに語り合う2人の姿が洗礼な 写真と共に掲載されていた。 しみはそのページから目を離すことができ なかった。 頭をドンキで殴られたような衝撃。 死の毛が全身から引いていく。 裏切り。 その一言が彼女の心を容赦なく突きさした 。 覚醒剤という謝ちを犯した時でさえ、彼女 は夫を信じ続けた。 これは彼の弱さが原因であり、自分たちの 愛が壊れたわけではないと信じていたから だ。 しかし これは違う。 これは彼が自らの意思でしみではない別の 女性を選んだという 紛れもない事実だった。 それはしみという人間そのもの。として 2人が気づき上げてきた愛と信頼の完全な 否定を意味していた。 彼女は後にこの時の絶望をこう語っている 。 薬物よりも私にとってはこの裏切りの方が 何倍もからかった。 心が粉ご々なに砕け散る音が聞こえました 。 茂身は帰宅した小崎を問い詰めた。 彼は何も答えなかった。 その沈黙は記事の内容が事実であることを 何よりも有便に物が立っていた。 しみは初めて夫の前で声をあげて泣いた。 どうして私たちはやっとやり直せると思っ たのに、どうして その叫びは小崎の心に届いてはいなかった 。 彼の心はもはやしみのいる場所にはなかっ たのだ。 しみはこの時本当の意味での孤独を知った 。 夫が薬物に溺れていた時、彼女は守護者と して彼の隣にいた。 しかし 今彼の心の中に自分の居場所はどこにも ない。 これ以上ないほどの成功の頂点で彼女は これ以上ないほどの孤独のどん底へと 突き落とされたのだ。 東京ドームで感じたあの希望の光はあまり にもろくはない幻だった。 そして彼女はこれから始まる本当の地獄の 扉をその手で開けてしまったことにまだ 気づいていなかったのである。 夫の裏切りによって心に深い傷を負った しみ。 しかし 彼女は離婚という選択をしなかった。 いや、できなかった。 彼女はまだ心のどこかで信じていた。 これは一時の迷いに過ぎない。 いつかきっと 夫は自分の元へ帰ってきてくれる と。 女彼女の願いを後しするように小崎自身 からある案がなされる。 ニューヨークへ行こう。 2人でもう1度やり直すために ニューヨーク。 それは小崎が敬愛するアーティストたちが 生まれた場所であり、彼にとっての政治 だった。 日本でのしがらみや人間関係を全て 断ち切り、 誰も自分たちを知らない場所で純粋に音楽 と向き合い、そして夫婦として再生する。 その言葉は絶望の淵にいたしみにとって 一本の雲の糸のように思えた。 彼女はこの提案に全てをかけることにした 。 これが最後のチャンスなのだと。 1990年 生まれたばかりの息子、優やを連れて3人 は再出発を誓い、ニューヨークへと旅立っ た。 しかし その先に待っていたのは希望の光などでは なかった。 それはこれまで経験したことのない底なし の地獄の始まりだった。 ニューヨークでの生活が始まってすぐ は夫の異変に気づいた。 中夜が逆転し、部屋に閉じこもって何かに 怯えるように過ごす時間が増えていく。 として彼の瞳にはかつて高知書で見た。 あのうろで商店の定まらない光が再び宿っ ていた。 しみ身の胸を最悪の予感がよぎる。 まさか そんなはずはない。 彼はもう2度と手を出さないとあれほど 片口かかったはずだ。 だがその願いは無惨にも裏切られた。 ある、し身はバスルームに散らばる駐車機 と白い粉の入った袋を見つけてしまう。 再発 その2文字が彼女の脳点をはき割った。 日本から逃げるようにしてやってきたこの 場所で彼は再び薬物の悪魔に魂お売りは 足してしまったのだ。 しみはその場で泣き崩れた。 もはや 怒りも悲しみもなかった。 ただ圧倒的な無理が彼女の全身を支配して いた。 ここからの日々はまさしく悪夢だった。 薬物の影響で小崎の人格は完全に破壊され ていった。 彼はしげる美が自分を監視し、 落とし入れようとしているという激しい 被害妄想に取り憑かれるようになる。 お前は俺の敵なんだろう。 そうびながら彼はしみに暴力を振うように なった。 紙を掴んで引きずり回し、壁に叩きつける 。 し身の体には青黒いが耐えることはなかっ た。 しかし肉体的な苦痛よりもからかったのは 精神的な虐待だった。 彼はしみが最も傷つく言葉を選んで彼女の 心を内フのようにえぐった。 お前といると息が詰まる。 お前がいなければ俺はもっと自由に生き られたんだ。 それは夫を支えることだけを生きがいにし てきたしみにとって自らの存在価値の全て を否定される。地形宣にも等しい言葉だっ た。 し身は完全に孤立した。 ここは知り合いの1人もいない異国の地。 助けを求める場所も逃げ出す場所もない。 そして何より幼い息子の勇やを守らなけれ ばならなかった。 彼女は自らがボロボロになりながらも息子 の前では必死で笑顔を作り続けた。 息子だけはこの地獄に巻き込んではいけ ない。 その一心だけが過ろじて彼女の精神を支え ていた。 ある、いつものように暴力を振われた後、 小崎はまるで別人のように穏やかな顔で しみにこう言ったという。 俺はお前を愛しているんだ。 だから俺がダメになっていく姿を 誰にも見せたくない。 お前にも見せたくないんだ。 その言葉を聞いた瞬間、しみの心は憎しみ と愛情の間で聞き裂かれそうになった。 彼女は悟った。 彼を苦しめているのは薬物だけではない。 小崎豊かという巨大なプレッシャー。天才 であるが故えの孤独。 として完璧ではない自分を許せないという 彼のあまりにも純粋すぎる魂そのものが彼 自身を破壊しているのだと 彼は助けを求めていた。 しかし その求め方があまりにも異びで暴力的だっ た。 彼は自分を愛してくれる唯一の人間である しみを傷つけることでしか自らの苦しみを 表現することができなかったのだ。 このニューヨークでの日々はしみから愛に 対する幻想を一ぺの来らず奪い去った。 愛は人を救うことなどできない。 愛は奇跡を起こすことなどない。 彼女はただ目の前で壊れていく夫の姿を ナすべもなく詰めることしかできなかった 。 それは彼女の人生において最も長くそして 最も暗い夜だった。 彼女の心は完全に壊れる寸前まで追い詰め られていた。 もや希望の光はどこにも見えない。 この地獄から抜け出す方法はどこにもない ように思えた。 彼女はこの時初めて夫と共にこのまま死ん でしまうことさえ考えたという。 それほどまでにこのニューヨークの夜は 深くそして絶望的だったのである。 ニューヨークの閉ざされた部屋で暴力と 暴言の嵐にさらされ続けた日々。 し身の心と体は限界を超えていた。 愛は幻想に過ぎなかった。 夫を救うという使命はあまりにも傲慢な 思い上がりだった。 彼女は全てを諦めかけていた。 夫と共にこのまま口果てていくしかないの か。 そんな絶望の闇のまさにその底で彼女の 視界に1つの小さな光が差し込んできた。 それは腕の中で眠る幼い息子の願顔だった 。 まだ何も知らずただ母親のぬくもりだけを 信じて穏やかに呼吸を繰り返す 小さな命。 その存在がしみの心に雷に打たれたような 衝撃を与えた。 彼女はした。 私は今まで何を見ていたのだろうか。 私は夫という巨大な存在に囚われるあまり 、すぐそばにある。この何よりも大切で 守らなければならないもののことを見失っ ていたのではないか。 この子は私がこの世に生み出した命だ。 この子には何の罪もない。 この子、父親と同じような孤独と苦しみの 連鎖の中に巻き込んではならない。 この子だけは私が命に変えても守り抜か なければならない。 その瞬間しみの中で何かが決定的に変わっ た。 それは彼女の生きがい が根本からシフトした瞬間だった。 これまでの彼女の生きがいはおっと小崎 豊かを救うことだった。 これは愛であり、使命であり、しかし同時 に彼という他者の存在に依存したもろい 自己肯定感でもあった。 だからこそ彼の裏切りや暴力は彼女の存在 そのものを揺がした。 しかし、 今彼女の目の前には新しい そして揺ぎない生がいが生まれていた。 それは息子、ゆやを育てる という母としての使命だった。 この新しい使命は誰にも依存しない。彼女 自身の内側からは来上がる。絶対的な力 だった。 彼女は後にこの時の心境の変化をこう表現 している。 それまでは夫を投資でしか自分の価値を 見出せなかった。 でも息子が生まれて私は初めて 私 という1人の人間として大地に足をつけて 立つことができたような気がしたんです。 この決意 はしみに信じられないほどの強さを与えた 。 彼女はもはや無力な被害者ではなかった。 息子の未来を守るためならば、どんな地獄 でも生き抜いて見せるという屈境な戦士へ と変貌したのだ。 彼女は小崎に対する接し方を意識的に変え ていった。 以前のようにただ彼の暴力に耐え機嫌を 伺うのではない。 彼女は母親として、そして1人の人間とし て既然とした態度で彼と向き合うように なった。 薬物でサ乱する夫を前にしても彼女はもう ひまなかった。 彼女は息子の手を固くに切りしめ、まるで 盾のようにその小さな体を守りながら夫の 目を見てはっきりと子を告げた。 あなたが何をしようと私はこの子を連れて ここで生きていく。 私にはこの子を守る責任があるから。 これは懇願でも絶望でもない。 母としての揺ぎない覚悟の表明だった。 し身のこの変化は皮肉にも小崎自身の心に もかな影響を与え始めた。 彼はしみの中に以前とは違うリとした強さ があることに気づいたのかもしれない。 それは自分に依存する弱い女ではなく、 自らの足で立つ1人の人間としての強さ だった。 彼は暴力を振う回数が少しずつ減っていっ た。 そして時折り 正期に戻った瞬間に息子の顔を伊藤思想に 見つめるようになった。 それは完全な回復にはほど遠い、ほんの 小さな変化だったかもしれない。 しかし暗黒のニューヨーク生活の中でそれ は初めて見えた人筋の光だった。 しみはこの小さな光を決して見逃さなかっ た。 彼女は悟ったのだ。 夫を無理に変えようとすることはもう やめよう。 彼を救えるのは私ではない。 彼が自分自身で立ち上がるのを信じて待つ しかない。 今の私にできることはただ1つ 息子にとっての安全なとしてこの家庭を 守り抜くこと。 そしていつか夫が本当に助けを求めて帰っ てきた時にお帰りと言ってあげられる場所 を作り続けること。 この決意こそがしみをニューヨークの地獄 から生感させた唯一の力だった。 これは愛や献心といった言葉では説明でき ない。もっと根源的で力強い ご性の目覚めだった。 彼女は夫を愛することを諦めたのではない 。 彼女は夫に依存することをやめ、自らの足 で立つことで結果的に夫と自分、そして 息子の3人全員が生き残るための唯一の道 を選んだのだ。 この長くくらい夜の果てに彼女は愛の本当 の意味をその身を持って学び取ったので ある。 ニューヨークの地獄のような日々を 生き抜き、しみがその手で掴み取った母と しての揺ぎない覚悟。 その静かで、しかし力強い決意は淀見切っ ていた家族という名の川の流れを確かに 変え始めていた。 991年 小崎は誰に強制されるでもなく自らの石で 日本へ帰国することを決める。 それはアメリカという場所ではもはや自分 自身からも薬物と悪くからも逃げられない と彼自身がようやく悟り始めた証だったの かもしれない。 帰国語彼は1つの大きな決断を下す。 個人事務所アイソトープ の設立。 これはもう誰かに管理されるのではなく、 自らの足で立ち、自らの責任でもう一度 音楽と、そして人生そのものと向き合おう という彼の静かな戦々不告だった。 しみはそんな夫の姿をただ静かにそして 深く見守った。 自然のように角に彼の心に踏み込んだり、 母親のように彼の世話を焼きすぎたりする ことは申しなかった。 彼女はニューヨークの暗闇の中で愛が人を 支配しようとする時、それは友倒れの道 しかないことを学んでいた。 今の彼女の役割は夫を救う守護者ではない 。 息子を守る母親 としてそして彼の人生のタートナー としてただどっしりとそこに存在し続ける ことを 彼女が守り続けた家庭 という名の港は荒波にもまれ傷つき 漂流を続けてきた小崎にとってようや心 から怒りを下ろせる唯一の場所となりつつ あった。 その証拠に小崎はこの時期家にいる時間が 格段に増えた。 仕事が終わると まっすぐに家に帰り家族3人で食卓を囲む 。 は他の誰かにとっては当たり前の日常かも しれないが、彼らにとっては血と涙の果て にようやくたどり着いた奇跡のような時間 だった。 そしてこの穏やかな日々は小崎の中に眠っ ていた。もう1つの顔を呼び覚ます。 それは父親と年の顔だった。 彼はまるで失われた時間を取り戻すかの ように息子であるゆやを深く深く愛した 彼はゆやをその細い腕で力強く抱きしめ 公園で一緒に砂遊びをし、絵本を読み聞か せ、その成長の一瞬一瞬を訪に焼きつけて いた。 しみはそんな2人の姿を少し離れた キッチンから眺めるのが何よりも好きだっ たという。 そこにはステージの上で何万人もの若者を 熱狂させるカリスマの姿も薬物に溺れ獣の ように暴れる破壊者の姿もなかった。 ただ1人の息子を愛し、その未来に思いを はせるごく普通の1人の父親としての小崎 豊かの素顔があった。 それはしみがニューヨークのあの長い夜何 度も心の中で描き守り抜きたいと願った。 まさにその光景だった。 彼女の戦いは決して無駄ではなかったのだ 。 彼女の母としての決意がこの掛けがえの ない温かい時間を作り出したのだ。 しみの心は久しぶりに静かな満足感と嵐の 後の何のような深い愛情で満たされていた 。 この心境の変化と父親になったという経験 は彼の捜索活動にも劇的でそして 素晴らしい影響を与えた。 彼はこの時期自らのアーティスト人生の 集体性とも言えるある伝説的な対策を 生み出すことになる。 2枚組のアルバム 誕生 [音楽] 20局。 それは彼のキャリアの中でも最大規模の 作品であり、そこには彼の25年間の人生 の全てがまるで遺言のように刻み込まれて いた。 費の槍り場のない怒りや社会への反抗だけ ではない。 絶望の縁で見た地獄の風景 愛するものを傷つけてしまったことへの 消えることのない。 をして1つの新しい命の誕生によって自分 自身がもう1度生まれたことへの戸惑いと 喜び 彼の歌はかつてないほどの深みと他者への まざし そして人間的なぬくもりを帯びていた。 特にアルバムのタイトルにもなった楽曲 誕生 の歌しは彼の心の変化を何よりも有便に物 が立っている。 これは息子、ゆやの誕生によって彼自身が 孤独な反逆者から1つの家族を守る人間 へと生まれ変わろうとする 魂の近いのようだった。 このアルバムは商業的にも絶大な成功を 納め、オリコンチャートで初登場1位を 獲得した。 小崎豊はアーティストとして、そして1人 の人間として完全なる再生を遂げたかの ように見えた。 彼は全国ツアー、BIやRTAツアーを 開始し、再びファンの前でその圧倒的な 歌声を披露する。 茂身みもまたその姿を心の底から誇らしく 思った。 長かった。本当に長かった戦いがようやく 終わる。 これからは本当の意味で家族3人手を 取り合って穏やかな未来を歩んでいける。 誰もがそう信じて疑わなかった。 小崎自身もしみもそして彼を愛する全ての ファンも。 しかし運命の女神はこの傷だらけの家族に あまりにも残酷でそして唐突な結末を用意 していた。 彼らがようやくその手で掴んだこのさやか で幸福な時間は 永遠に続くものではなかった。 それは燃え尽きる直前のロソが最後の一瞬 だけ最も明るく そして美しく輝くような日の間の光だった 。 この穏やかで希望に満ちた日々のすぐ先に 誰にも予測できない突然の終焉が静かに そして確実にその足音を響かせながら迫っ てきていたのである。 アルバム 誕生 の成功と穏やかな家族との時間 それは長すぎた嵐の後に訪れた奇跡のよう な波の季節だった。 しかし その日付けさは突然 破られる。 992年4月25日早朝 小崎豊かは自宅の庭で霊水状態で倒れて いるところを発見された。 病院に反送されたが彼は一度帰宅を望む。 しかし その数時間後彼の容態は急変し 帰らぬ人となった。 26歳、 あまりにも唐突で、そして謎に満ちた天才 の最後だった。 彼がようやく手に入れたはずのさやかな 幸福はあまりにもろく一瞬にして消え去っ てしまった。 私たちはこの物語の冒頭で1つの問を立て た。 に裏切られ、心と体を傷つけられながらも 、なぜつましは最後まで彼を支え続けたの か。 その答えは単なる 愛 や 献心 という言葉だけでは到底説明することが できない。 彼女の旅地をもう一度振り返ってみたい。 若き日の純粋な恋心から始まった2人の 物語り。 しかし 夫の薬物依存という最初の試練が彼女に夫 を救うという思い名をしわせた。 それは彼女の生きがいそのものとなった。 だがその使命感は夫の裏切りによって根底 から覆えされる。 そしてニューヨークの地獄で彼女は愛の 無力さと人間の心の闇の深さを骨の随まで 思い知らされた。 彼女がその絶望の淵から生上がることが できたのはなぜか? それは彼女の中に新しい光がとったからだ 。 息子ゆやを守る という母としての絶対的な指命。 彼女は夫に依存することをやめ、自らの足 で立つことを選んだ。 彼女は夫を変えようとするのではなく、 ただ彼が帰ってこられる港を守り続ける ことを決意したのだ。 つまり 彼女が最後まで彼を支え続けた理由。 それは1つの理由からではない。 それはいくつもの思いが複雑に絡み合った 銃層的な決意の決晶だった。 第1に彼女は最後まで自分が初めて恋をし た純粋で繊細な小崎豊かの影を彼の中に 見い出し 信じ続けていたから 第2に1度は背負ったこの人を救えるのは 自分しかいないという使命感から完全には 自由になれなかった そして何よりも決定的だったのは第3の 理由。 この子から父親を奪ってはならない という母としての揺ぎない覚悟があった からだ。 愛、使命、そして菩星。 この3つの力が時に彼女を支え、時に彼女 を縛りつけ、あの壮絶な日々を生き抜かせ たのだ。 彼らの夫婦愛の真実とは決して美しいだけ の物語ではない。 これは天才という強すぎる光と薬物という 深すぎる闇の間でもがき苦しんだ2人の 人間の生々しい記録である。 それは愛が憎しみに信頼が絶望に変わり それでもなお相手の存在を求めずにはい られない人間の無純のものだった。 し身が残した遺産。 それは彼女がただ耐しんだということでは ない。 彼女が愛する人の弱さ、身にさ、その全て と正面から向き合い 逃げ出さず、 そして最終的には母として自立することで 家族という小さな世界を守り抜いたという 。 の選択 の奇跡そのものだ。 彼女は私たちに静かに問いかけている。 人を愛するとはどういうことなのか。 誰かを支えるとはどういうことなのか。 その答えは1つではない。 それぞれの人生にそれぞれの答えがあるの だと。 小崎豊かがこの世を去ってから長い年きが 流れた。 しかし 彼の歌は今もなお 人々の心の中で行き続けている。 としてその歌の隣にはいつも彼の光と影の 全てを受け止め、最後まで彼を信じ続けた 1人の女性の姿があったことを私たちは 決して忘れてはならないだろう。 彼女の名前はお先しみ。 これは天才を愛しすぎた1人の女性の魂の 記録である。
追悼・尾崎豊… 妻・繁美が語った夫の裏切りと薬物依存、なぜ彼女は最後まで彼を支え続けたのか?夫婦愛の真実
時代のカリスマとして、今なお多くの人々の心に生き続ける尾崎豊。しかし、その輝かしい栄光の裏で、彼は薬物依存と心の闇に深く苦しんでいた。夫の裏切り、そして常軌を逸した暴力。地獄のような日々の中で、妻・繁美はなぜ彼のもとを去らなかったのか。二人の出会いから、ニューヨークでの絶望的な生活、そして息子の誕生がもたらした僅かな光。これは、天才を愛しすぎた一人の女性が、愛と使命、そして母性の狭間で下した壮絶な決断の記録であり、伝説となった「夫婦愛」の知られざる真実に迫る物語です。
【主な参考資料】
・尾崎繁美 著『親愛なる遥いあなたへ 尾崎豊と過ごした日々』
・尾崎豊 著『普通の愛』
・見城徹 著『編集者という病い』
・須藤晃 著『尾崎豊 覚え書き』
・NHK特集『尾崎豊 ~響きあう魂 また会えるよね~』
このチャンネルでは、時代を彩った人々の知られざる物語を、丁寧なリサーチを元に紐解いていきます。あなたの心に残る物語がありましたら、ぜひチャンネル登録と高評価で応援してください。コメント欄で、あなたの感想もお待ちしております。
#尾崎豊 #夫婦愛 #ドキュメンタリー
1 Comment
この話は詭弁だ。
繁美は尾崎が斉藤由貴と再婚するのに嫉妬し義母と豊を水に薬物を入れ自宅で最後に飲ませ殺害した。
暴行は関東連合連合会に依頼し薬物も仕掛けた。死にきらなかった豊を病院から自宅に連れ帰り犯行した。
そして財産も手に入れた。繁美は生涯嘘を言い続け地獄に落ちるのだろう。