月が照らす約束ー第五話完ー

第後は約束の月。あの夜から何度も同じ夢 を見た満熱の下で彼と手を取り合っている 夢。何も言わなくても全てが伝わる。でも 夢が終わるたびに涙が流れていた。朝が 来ると現実が戻ってくる。夫の足音、子供 の笑い声いつもの日常。それなのに心の どこかがいつも空っぽだった。この思いを 抱えたままどこまで生きていけるのだろう 。相馬から連絡が途えた。最後の メッセージにはただ一言 しばらく会えません。胸の奥で何かが沈ん だ。は聞かなくても分かっていた。現実が 彼を引き戻したのだ。でも分かっていても 苦しかった。まるで魂の半分を置いて行か れたみたいに。夕方仕事の帰り道。空が 悪く染まり月が姿を見せ始めた。あの人も 今どこかで同じ月を見ているのだろうか。 立ち止まって空を見上げた瞬間、スマホが震えた。 [音楽] 話せる。 それだけのメッセージだった。涙がこぼれた。 [音楽] 2人は最後にもう 1 度だけ会うことにした。夜の公園桜の歯が風に揺れて町のりが水面に移っている。待っていると相馬が歩いてきた。 [音楽] [拍手] 少しやれたような顔。それでも優しい笑顔だった。 [音楽] 来てくれてありがとう。 こちらそしばらくの沈黙。風の音だけが響いていた。 ごめん。 何も言わないでください。 家のことを整理したい。ちゃんと向き合わないといけないと思ったんです。 [音楽] 分かってます。 私もちゃんと戻らなきゃいけない場所がある。 2 人の言葉は静かに夜に解けていった。でも後悔はしていません。 [音楽] 僕もです。 あなたに出会って生きる意味を思い出せた気がする。 僕も同じです。あなたと出会って心がやっと息をした。 [音楽] 彼がそっと手を伸ばした。 指先が触れる。その瞬間世界が音を失った。 [音楽] いつかまたどこかで会えると思います。 え、きっと涙が頬を伝う。それでも笑っていた。風が吹いて [音楽] 2 人の髪が揺れた。その風の中に懐かしい声が聞こえた気がした。 [音楽] また会えるよう。 彼と見た夢の中の声。そう向け、ゆっくりと歩き出す。突き明かりに照らされた背中が少しずつ遠ざかっていく。私はその姿を見送りながら心の中で静かに呟いた。ありがとう。そに満月が浮かんでいた。 [音楽] [音楽] 白く優しく全てを包み込むように光ってい た。あの日から始まった物語りが今静かに 閉じていく。でも終わりではなかった。魂 のどこかで私たちはまだ繋がっている気が した。どうも会えなくてもこの思いがあれ ばきっと何度でもまた出会える。そう信じ られるだけで生きていける。月の光が強く なる。風が止まり世界が静まる。あの夜彼 とか交わした約束が今も胸の奥で輝いて いる。えるよう。 それが永遠の約束。 [音楽]

舞台設定

現代の東京。

静かな住宅街と、夜の街のネオンが交錯する都会。

スマホ越しの会話と、偶然が導く運命のような再会が物語の鍵。

登場人物

■ 高梨 美沙(37歳)

フリーランスのデザイナー。

夫とはすれ違いの毎日で、心の中はずっと空虚。

ある夜、偶然入ったカフェでひとりの男性と出会う。

彼と話すたび、どこか懐かしい記憶が呼び起こされる。

■ 飯島 颯真(45歳)

出版社勤務。家庭では会話がなく、仕事にも虚無を感じている。

ある夜、美沙と出会った瞬間、「あ、この人を知っている」と直感。

しかし理性では“踏み込んではいけない”と分かっている。

第一話https://youtu.be/Wkb1qU234HM
第二話https://youtu.be/LRFIDp2vO48
第三話https://youtu.be/_A0rTp7JgC4
第四話https://youtu.be/4XBhIwq9Uas

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