多くの物語が生まれた2017シーズンの明治安田生命Jリーグ。みなさまにとってのJリーグのある日常、そして、そこから生まれた物語とはどのようなものだったでしょうか。

2018シーズンは一体どんな物語が生まれるのでしょうか。

語り:松坂桃李

雷鳴のような轟音が、まだ、耳の奥で鳴り続けている。
それは、ぼく自身が発した絶叫の、その余韻に他ならない。
ぼくは考える。
この物語の結末にあるものは、歓喜なのか、絶望なのか。

ぼくらの日常は、容赦無く二分される。
すなわち、勝者の側と、敗者の側に。
それは、揺るぎの無い絶対的な真実として、ぼくらを分つ。
たった今、絶頂にいたかと思えば、次の瞬間、深い奈落の底に沈む。
ぼくらの日常は、フォルトゥナの車輪の上にあるのだ。
車輪?いや、そうではない。それはおそらく、球体だ。

そう。それは転がり続ける。
輝く歓喜の頂きの、その遥かな足下で、絶望が嗤っている。
真っ暗な淵の底、見上げた遠い遠い空の上に、それでも歓喜は見えている。

テクニックは、あらゆる可能性の扉を開く鍵。
パワーは、揺るぎなき意思を示す鎧。
スピードは、理性を超越するための翼。
インテリジェンスは、耳元で囁き続ける。
運命に抗え、と。

ぼくらは目の当りにするのだ。
勝利を摑み取った者の、その輝きに満ちた姿を。
全力を尽くして敗北した者の、地面にうずくまる様を。
彼らの才能の、その一瞬の煌めきを。

だからこそ。
ぼくらは叫ぶことをやめない。
ぼくらは祈ることをやめない。
ぼくらは歌うことをやめない。
ぼくらは願うことをやめない。

その先の、絶望を振り払うように。
その先の、歓喜を信じて。
彼らの姿は、ぼくら自身の姿でもあるのだから。

この物語の結末にあるものは、歓喜なのか、絶望なのか。

ぼくらは知っている。
この物語に、結末など存在しないことを。
物語はいつか伝説となり、そして神話となる。
それでも、それは終わらない。

球体の上の、ぼくらの日常はつづく。
絶望と歓喜を繰り返しながら。
それを幸せと呼ばずして、何と呼ぼう。

雷鳴のような轟音は、まだ、耳の奥で鳴り続けている。
永遠に。

45 Comments

  1. 素晴らしい編集と素材とポエムと語り。最高な動画です。

  2. 齋藤学をマリノスから獲ってから川崎好きじゃなくなったわ

  3. 何この動画…レイソル3分すぎまで出てこないし、、偏りすぎじゃないか

  4. ポエムバージョンもいいけど、もっとハイテンションなPVもつくってほしいね。盛り上がるためにサッカーを観るんだから。

  5. 映像が良すぎて見入っちゃうからポエムが全く頭に入ってこないw

  6. 鹿島は何個もタイトル獲っていてもあんだけ悔しがり涙を流した。川崎は何にもタイトル獲れなくてやっと獲れて嬉し涙を流した。2017年は本当にドラマチックでありタイトルの重みを感じたシーズンでした。
    2018年シーズンもドラマチックな展開を!

  7. 名前を出すのはマナー違反かもしれないけれど、秋田ひろむさんに読んでほしい
    松坂さんも上手いし、素晴らしい詩だと思います

  8. 松坂桃李くん良い声。
    スポーツって良いよね、、

  9. またスタジアムで声が出せる日が来ますように

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