映画『七人の侍』(1954)
1954年4月26日公開 207分
巨匠・黒澤明監督の代表作。寄せ集めの七人の侍が、命がけで野武士と戦い、貧しい農民の村を守る。
監督 :黒澤明 出演:志村喬、稲葉義男、宮口精二、千秋実、加東大介、木村功、三船敏郎、ほか
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日本を代表する監督のひとりであり、海外で最も有名な日本人監督でもある黒澤明監督。
数多くの傑出した黒澤監督作品の中でも、代表作『七人の侍』と言えば、日本のみならず海外の映画界にも多大な影響を与えた不朽の名作です。
これ以降『大脱走』のジョン・スタージェス監督により、『荒野の七人』(1960年公開)としてリメイクされたのは有名ですが、ジョージ・ルーカス、フランス・F・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ジョン・ランディスなど、世界の名立たる監督たちが黒澤映画に影響を受けたと語っていますし、私でも知っている周知の事実です。
映画『七人の侍』の魅力のひとつに、綿密な時代考証をもって書かれたストーリーだと言われています。
乱世の中で、苦しい生活を虐げられる農民たちや、生きるために盗賊へと身を落とす野武士たち。そして、負け戦で主を失くした浪人侍。。。
戦いは、こんな人々の暮らしを蝕んでいました。
その中にあって、心根を腐らせず正義に生きる男たちのかっこよさが描かれています。
そしてなんといっても、七人の侍が集まる過程が、また憎い程ぐっときます。
落ちぶれても武士と、侍のプライドを捨てきれず、百姓に雇われることを断る者が多い中、白米を腹いっぱい食べられるという報酬で、依頼を請け負う男たちの無骨さが実にユーモラスです。
身分に関係なく弱き者の味方をする、自分のやるべきことを知っている真の男たちの集まりでした。
中でも、七人の侍を率いる島田勘兵衛(志村喬)の人柄は、今の時代に必要なリーダー像とも言えます。
この方、頭の回転が速く賢人、普段は温厚だが、相手のためを思い叱咤することもあリます。責任感と決断力を兼ね備えた真のリーダーです。
いやー見習いたいものです。
またメインキャラである、百姓上がりの野性人、菊千代(三船敏郎)も、この作戦には欠かせない人物になって描かれています。
菊千代は、百姓たちとの橋渡し的存在みたいですねぇ。
そしてもうひとつの最大の魅力と言えば、やはり決戦のシーンです。少数で、多勢の騎馬兵に立ち向かう戦略にも圧巻で注目です。
豪雨の中での最終決戦。一気に残りの騎馬を村に誘い入れ、槍と刀で総攻撃を仕掛けるシーンは、迫力満点ですが、当時のモノクロ画面で、雨の合戦シーンに迫力を出すため、墨汁を混ぜた水を雨に見立てて降らせたのは有名な話しですが、こうしたアイデアも黒澤明監督の、すごさを物語っています。
そんな中、泥でぐちゃぐちゃになり足を縺れさせながらも、突き出す槍。暴れる馬から打ち落とされる野武士。多くの血を流し、果敢に切りかかる侍たち…。
何本も脇道に刀を突き立て、切り倒すたびに新しい刀を抜いて挑む、菊千代の鬼気迫る戦いぶりがカッコイイ・・・この「刀の墓」と呼ばれるこのシーン。
何度みても良いシーンなのですが、三池崇史監督の映画『十三人の刺客』の決戦シーンでも、この「刀の墓」が登場するらしいですね。
と、まぁー、多くの映画人に影響を与えた『七人の侍』の魅力は、練り上げられた面白いシナリオと、迫力あるカメラワークにあったようです。
時を経てもなお、リスペクトされ続ける不朽の名作『七人の侍』ですが、
2018年に英国放送協会(BBC)が、世界43カ国の映画評論家を対象に集計した、外国語映画ベスト100の第1位に輝いたのが、「七人の侍」だったようです。
ほぼ同時期の日本公開だった、やはり名作の横綱「ローマの休日」(1953/1954年公開)とならぶくらい、有名な作品です。
しかしながら、この最高傑作として語り継がれるこの作品は、なんと約3時間半の長編なんですねぇー。イッキ見は結構辛いかも〜。
それでも、色々な技法を使って、エンターテイメント性を重視していて、非常に楽しませてくれる作品です。
これこそが、すべての見本となる映画たる所以なんでしょうねぇ。
終・制作━━━ 映画のレオナ
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4 Comments
志村喬に惚れた
おい、お侍
これを見てくれ
こいつはお前さんたちの食い分だ
ところが、この抜け作どもは何を食ってると思う?
ひえ食ってるんだ
自分たちはひえ食って、お前さんたちには白い飯食わせてんだ
百姓にしちゃあ、精一杯なんだ!
望遠レンズの圧縮効果(手前の被写体がうっすらぼやけ、奥側の被写体の輪郭を鮮明に写す)で、山頂から下る騎馬群や防衛柵の前でウロウロする野武士の姿をドキュメンタリー映像のような効果が活かされたシーン。隠し撮りに使用されるレンズなので、近くの主役を写すには向かないが、複数の不特定多数を撮る時にはよりドキュメンタリー感が出てこのシーンの緊張感が増す映像になっている。
古いフランス映画の監督だけど、『禁じられた遊び』『太陽がいっぱい』のルネ•クレマンは、このシーンを非常に高く評価されていたそう。通常の映画の七倍(当時で2億以上)の費用が掛けられたと言われる映画だが、監督、スタッフ、出演者が円熟期に達し、多大な予算のお陰でと言うより、冴え渡った作り手の熱意による賜物という気がする。後年、黒澤監督が黒澤ファンで若手の映画評論家によるインタビューの前で、あれ(七人の侍)は、あの当時だったから撮れたのであって、もう撮れと言われても(体力、気力の面で)もう撮れないよ。と語っている。この発言から伺っても、当然であるけど黒澤さんが量産できるような質の映画ではなく、多くの才能が集結して奇跡的に傑作になった映画と言われる所以が理解される。
黒澤明が編集した海外版(2時間21分)でヴェネチア国際映画祭の銀獅子賞を授賞したけど、完全版(3時間27分)なら確実に金獅子賞取れてたはず!