おそらく、すいと公文は繊細で傷つきやすいところが似ているのだろう。事故の真相に加えて、もはや互いへの愛情が失われてしまった悠馬と瑞貴の夫婦関係に巻き込まれてしまい、身も心もずぶ濡れになったすいに傘をさしたのは公文だった。冷たい雨から逃れ、自分たちだけの世界で2人は“生まれ曜日”について語らう。多幸感のある場面とは裏腹に、公文の「水曜日は優しさと引き換えに、悲しみがいっぱい」という一言に彼の大きな闇が見えた。

 その人物とは、バイク修理を請け負う店の息子・健人。瑞貴いわく、彼女に思いを寄せていたという健人がマネージャーたちの着替えを盗撮していたところをリリ子は目撃した。そして、みんなにそのことをバラさない代わりに自分の依頼を引き受けさせたのだ。しかし、健人の動機はもっと別のところにあったのだろう。補欠でありながら、キャプテンを務めていた彼の中では、サッカー部の二大巨頭である純平と悠馬に対する羨望と嫉妬が常に渦巻いていた。自分も一度でいいからピッチに立ちたい。スポットライトを浴びてみたい。そんな思いが悪い意味で健人の背中を後押しし、彼を犯行へと向かわせたのである。

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