救いなし「絶望エンド」に背筋がゾクッ…『世にも奇妙な物語』後味が悪すぎる「ブラック回」の名作んな死に方イヤ!初期最高傑作『死ぬほど好き』
主人公が不憫な死を遂げる作品では、デビューしたての野島伸司さんが脚本を手掛けた1990年放送の『死ぬほど好き』も恐ろしかった。
このエピソードは、高校の同じクラスの憧れのマドンナ・美香(石田ひかりさん)を呼び出し、自分のニセの葬式を開いて彼女の思いを知ろうと企む話。
ある日、純平と太と省吾の3人は、美香が純平を好きなのではと盛り上がる。そして葬儀社の息子・省吾が提案したのが、「純平の嘘の葬儀に美香を呼び、本音を探る」というドッキリ企画だった。
純平は棺桶に入るが、ここで予想外の出来事が起こる。美香が周囲に話したことで担任や生徒が来てしまい、最終的には両親も帰宅し本格的な通夜が始まってしまうのだ。ただ、葬儀の中で美香の告白を聞けたので、ある意味作戦は成功したと言えるかもしれない。
太と省吾は言い出せない罪悪感で酒を煽るが、純平は祝杯だと酒を飲み、棺桶の中でそのまま眠ってしまう。翌日、太と省吾が目を覚ますと棺桶がなく、二人は急いで火葬場に向かう。
棺桶の中で目覚めた純平はパニックに陥るが、霊柩車の急ブレーキで頭を打って気絶してしまう。再び目覚めると、棺桶は火葬炉に入れられる直前。純平は恐怖のあまりまともに叫ぶこともできないまま火葬炉の扉は閉じられ、生きたまま火葬されてしまった。
戸惑う太と省吾に両親は言う。「これも運命なんでしょうね。おかげで立て直せる。あの子に保険をかけていたので」と……。
実は、両親は資金繰りに苦しんでいた。もしかすると本当は生存を知っていたのではと考えると、より恐ろしい。
■永遠に終わらない苦しみに絶望する『懲役30日』
絶望に打ちのめされる最恐エピソードとして、1998年『秋の特別編』で放送された『懲役30日』も振り返りたい。悪人が恐怖のどん底に叩き落されるという、これまでの2作品とは少し色の違う名作だ。
死刑制度が廃止された世界で、三上博史さん演じる凶悪犯が捕まった。7人殺害の重犯罪者にも関わらず下された判決は「懲役30日」と軽く、男は歓喜しながら収監されていく。
午後4時、男は医師から注射を打たれて意識を失う。目を覚ますと、看守長(松重豊さん)から独房に連行される途中だった。男はすぐに出られると余裕をかますが、翌日から炎天下の屋上で日没まで立たされ酷い拷問を受けることになる。
普通なら死にそうな拷問にも、男は「30日」を心の支えに踏ん張り続けた。そして29日目。男が連れていかれたのは、電気椅子の置かれた地下室だった。死刑は禁止なはずと訴える男に、看守長は「懲役30日というのは死刑のことなんだよ。常識で考えてみろよ、7人も殺しておいてどうして30日の懲役ですむんだ」と冷たく言い放ち、刑は執行された。
だが、男は生きていた。目を覚ますとそこは注射を打たれたベッドの上で、時計の針は午後4時5分を示している。安堵する男に、医師は「君はこの装置で仮想の現実を体験したんだよ。君には後29日と23時間55分の懲役が残っている」と衝撃の真実を告げた。
男が経験した30日間は、現実での5分。彼が入所してから実はまだ5分しか経過していなかったのだ。死刑こそ廃止された世界だが、これから5分ごどに注射を打たれ続け仮想現実の拷問を味わい続ける、つまり本当の刑期は720年なのである。突如明かされる先の見えない地獄にイヤな汗をかいてしまう、ゾクゾクする名作エピソードだ。