作間龍斗×山下美月で贈る映画『山田くんとLv999の恋をする』。安川有果監督が語る原作でも人気の名シーン撮影秘話ーー2人のピュアな恋模様を描く上でこだわったことはありますか?

ばんそうこうを貼ってくれたり介抱してくれたり、いつもは塩対応なのにふとしたときに無自覚な優しさを見せる山田に茜は心を揺さぶられていきます。ただ、2人の心の距離が近づいていくにつれて、山田も茜に対する思いが表情に漏れてくるので、無愛想と優しさのバランスや感情のグラデーションは、シーンごとに作間さんと話しながら調整していきました。物語後半に駅で山田が茜を見送るシーンがあるのですが、振り返った山田の表情がすごく良くて。茜に対しての感情があるんだろうな……って思う絶妙な表情をしていて素晴らしかったです。

一番時間をかけて撮影したのは、茜の問いに対して山田が「バレたか」と言う、原作でも人気のシーン。作間さんとは撮影前に「ここは少年のようなやんちゃさがあっていい」と話をしたのですが、 “山田=あまり感情を出さない”と彼の中でインプットされているせいか、なかなか少年っぽい表情が出づらくて。珍しく何度もテイクを重ねたシーンでしたが、その分、最高の「バレたか」を撮ることができたので、楽しみにしていてほしいですね。

ーーオンラインゲーム内で組まれた“ギルドメンバー”の交流も描かれますが、見どころはありますか? また、ギルドメンバーが集まったシーンの撮影現場はどんな雰囲気だったのでしょう?

ギルドメンバーの絆も、重要な要素の一つです。山田と茜が出会うきっかけとなったネトゲのマスターである瑛太(NOA)や瑛太の妹の瑠奈(月島琉衣)、いちご農家を営む鴨田(鈴木もぐら)のキャラクターもすごく魅力的で。普通の学園モノとは違って、世代や性別を超えた友情が描かれていて、学校以外の居場所もあるんだよ、というメッセージが込められているんですよね。

幅広い世代のキャストが集まっているだけに初日の控室では皆さん探り探りだったそうですが、後半はすっかり打ち解けて毎日盛り上がっていました。焼肉を食べるシーンでは、もぐらさんがアドリブを連発してみんなで笑ったり、とてもいい空気感でしたね。山田は最初にみんなで会うコラボカフェのシーンではクールですが、物語が進むにつれて表情もどんどん柔らかくなっていくので、そこにも注目してみてください。

ーー衣装や髪形などビジュアル面でのこだわりや注目ポイントもあったら教えてください。

山田や茜のスタイリングは、「漫画から飛び出してきたようにしたい」と衣装さんと話して決めていきました。例えば、作中で山田が着ている赤いパーカーは、原作の表紙で着ているものに近いパーカーを探してきてくれて。原作漫画を彷彿とさせるアイテムを随所に取り入れつつも、トレンド感を意識したスタイリングになっているので、それぞれのキャラクターの衣装も楽しんでほしいです。

また茜の髪色は、 原作だと表紙ごとに微妙に色合いが違うので、山下さんもいろいろと意見を出してくれて、最終的には黒髪の山田とのバランスも鑑みて、茜らしい明るさが出つつも大人っぽいオレンジベージュに決まりました。

あと、小道具でこだわったのは、山田のゲームまわりの機材。私はあまりゲームに詳しくないので、ゲーム監修で入ってくださっているプロゲーマーの方にどんなアイテムがはやっているのかなど、細かくリサーチしましたね。デスク周りもチェックしていただけたらと思います。

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