警察署の雑居房で、老人 村田松蔵の「闇がたり」が、同房者と看守までも大正時代の義賊の物語の世界に導く。
最後のシーンでは、鯔背(いなせ)な「黄不動の栄治」が天切りの技と心意気を松蔵に教えこむ。
「鯔背」という言葉は、江戸時代の日本橋魚河岸の若者たちが結っていた髪型に由来している。この髪型は「鯔背銀杏(いなせいちょう)」と呼ばれ、ボラの若魚である「イナ」の背中に似ていたことからこの言葉が生まれた。
この言葉は、江戸時代の江戸における美意識(美的観念)のひとつで、若い男性を形容する言葉として使われていた。また、その容姿やそういう気風の若者を指すこともある。