#及川光博

BE MY BABY 0:00
ラブソング 1:40

原田健太 G
スティーヴ衛藤 per

及川の音楽のベースには、ロック的なビートを内包したファンク・ミュージックがある。これが開花したのが98年発表のセカンド・アルバム『嘘とロマン』で、どファンキーな「三日月姫」、エロティックな視線とギター・ロックを両立させた「その術を僕は知らない」など初期の代表作はここに収録されており、デビュー作のやや自己完結気味な世界から、広く羽ばたこうとする及川のポップ・センスが全開した傑作だった。これを発展させたのが、最高傑作と名高い2001年の『聖域~サンクチュアリ~』で、ここでは筒美京平や田島貴男とのコラボレーションを実現させ、むしろ他者の制作による客観視点を取り入れることで、自作曲はかなり自身の本音に迫る部分が増えている。キャラクターの強さで語られることの多かったミッチーの「人間・及川光博」の部分を描き出したのである。02年の『流星』は、忌野清志郎とのユニット「強烈ロマンス」やコレクターズの加藤ひさし作曲の「ベストフレンド」などと、ムード歌謡的作風の「セルロイドの夜」が共存するユニークなアルバムで、この時点でミッチーは「もはや何でもあり」の唯一無二のアーティスト・表現者へと成長した。
(文=馬飼野元宏)

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