トップスター(山田涼介)とマネージャー(川栄李奈)が禁断の恋! 「何度でも言う。俺は君が好きだ」
こんな物語になったらどうする?って物語。
タイトル:「君の隣に立ちたくて」
煌びやかなスポットライトの下、ステージの中央に立つのは、国民的俳優・朝比奈怜(あさひなれい)。その整った顔立ちと演技力、ダンスや歌の実力まで兼ね備えたまさに“完璧なトップスター”。そんな彼の一挙手一投足が、世間の注目を集める。
その裏側で彼を支えるのが、芸能事務所「クレストエンターテインメント」に所属するマネージャー、**佐伯紗良(さえきさら)**だ。彼女は元アイドルで、引退後に裏方に転身。持ち前の明るさと気配り、そして芯の強さで多くのタレントからの信頼も厚い。
怜と紗良が出会ったのは、まだ彼がブレイクする直前のことだった。
「おはようございます、朝比奈さん。今日は朝から雑誌の撮影、その後ドラマの打ち合わせと、バラエティ収録が入ってます」
「ありがとう、紗良さん。今日も頑張るよ」
最初はよそよそしかった二人の関係も、徐々に距離が縮まっていった。怜は完璧に見える外見の裏で、誰にも見せられない孤独を抱えていた。周囲の期待に応えようとするあまり、自分を押し殺して生きる日々。そんな中、いつでも自然体で向き合ってくれる紗良の存在は、彼にとって唯一の安らぎだった。
一方の紗良も、表舞台を降りてから初めて「人を支える」ということの意味を知った。怜の真剣な眼差し、弱さを見せる一瞬。彼の努力を間近で見守るうちに、彼女の中で“仕事”を超えた感情が芽生え始める。
ある雨の夜、仕事終わりに二人でタクシーを待っていたときのこと。
「怜くん、今日の撮影すごく良かったよ。監督も絶賛してた」
「……ありがとう。でもね、もう疲れたよ。自分が誰なのか、わからなくなってきた」
そう呟いた怜の横顔は、どこか子供のように脆く見えた。紗良は思わず、彼の肩に手を添えた。
「怜くんは、怜くんだよ。あなたは、ちゃんとそのままで素敵だよ」
その一言に、怜はしばらく黙ってから、ぽつりとこう言った。
「……君がそう言ってくれると、救われるんだ」
気づけば、二人はお互いに特別な感情を抱くようになっていた。
けれど、それは決して許されるものではなかった。
芸能界において、マネージャーとタレントの恋愛は“ご法度”だ。プロ意識を欠いたと見られれば、仕事に支障をきたす。ましてや、怜は今やドラマに映画に引っ張りだこのトップスター。ちょっとした噂が致命的なスキャンダルになる可能性もある。
それでも感情は、抑えきれない。
ある夜、怜がドラマの主演に抜擢された打ち上げの帰り道。
二人きりになった瞬間、怜が真剣な眼差しで紗良を見つめた。
「俺さ……ずっと我慢してたんだ。でも、もう無理かもしれない」
「……怜くん」
「何度でも言う。俺は君が好きだ。タレントとしてでも、マネージャーとしてでもなく、ひとりの人間として。君のことが、好きだ」
その言葉は、紗良の胸にまっすぐ届いた。
だが、彼女は涙をこらえながら、かすかに首を横に振った。
「だめだよ、怜くん。私たちは――」
「違う。『だめ』なのは分かってる。でも、君といる時だけは、本当の自分でいられるんだ。嘘の笑顔じゃなくて、本音で笑える。そんな相手、他にいない」
「……私も、怜くんが好き。でも、それだけじゃ、やっていけないよ」
二人の関係は、そこから微妙なバランスの上に成り立つようになった。
周囲には決して気づかれないように。仕事中はプロフェッショナルとして。けれど、時折交わす目線やささやかな言葉に、互いの想いが滲み出る。
やがて、週刊誌が怜のプライベートを執拗に追い始める。記者が張り込みを続ける中、ある日、怜と紗良が同じ時間に出てきた写真が撮られてしまう。
「おい、怜!これはどういうことだ!」
「本当に付き合ってるのか?」
「事務所から正式なコメントはあるのか?」
芸能界の喧騒の渦に巻き込まれ、紗良は責任を問われ、謹慎処分に。怜もドラマの出演契約が見直されるなど、大きな代償を背負うことになる。
それでも、怜は諦めなかった。
「俺が守るって決めたんだ。君のことを、何があっても」
彼は記者会見を開き、こう宣言する。
「僕には、交際をしている女性がいます。彼女は、僕のマネージャーでした。多くの方にご迷惑をかけたこと、心からお詫びします。ただ、彼女を想う気持ちは本物です。嘘ではありません」
会場は騒然とするが、彼の真摯な言葉に心を動かされる人も多かった。
その後、紗良は事務所を辞め、怜のマネージャーという立場からは離れることに。
だが、二人はもう隠さなかった。堂々と一緒に歩き、手を取り合う。
「本当にいいの? もう表舞台に戻れないかもしれないよ」
そう尋ねた紗良に、怜は微笑みながら答える。
「構わないさ。君の隣で笑っていられるなら、俺はそれでいい」
「……怜くん」
「何度でも言う。俺は君が好きだ。それは、これからも変わらない」
二人の姿は、眩しいほどの強さと誠実さに満ちていた。
エピローグ
それから数年後、怜は一線を退き、演技の指導者として若手育成に力を入れていた。紗良はフリーで芸能関係のアドバイザーとして活動を続けている。
とあるトーク番組で、司会者にこう聞かれた。
「今、一番大切なものは何ですか?」
怜は少し照れたように笑って答えた。
「隣で笑ってくれる人がいることですね」
会場から温かい拍手が沸き起こった。
禁断の恋から始まった二人の関係は、試練を超えて本物になった。芸能界という特殊な世界の中で、それでも愛を貫く姿は、多くの人の心に希望と勇気を与えていた。