【祝200勝】改めて田中将大とはどんな投手なのか【セイバーメトリクスで確認】

田中将大投手が日米通算200勝を達成し
ました。高校時代の甲子園での名勝負や 楽天イーグルスを初の日本一に導いた活躍
など、記憶に残る場面に事欠かない投手だけに そのすごさを数字で語られることがあまり
なかった投手のような印象も受けます。 今回は田中投手の成績をフラットに眺め
改めてどんな投手なのかを振り返ってみます。 まずは基本指標の推移を見ておきましょう。 田中投手は日米で19シーズンをプレー
してきましたが、奪三振の割合はこんな 感じで推移していました。ルーキーイヤー
から平均を大きく上回り、2011年から 日本一となった2013年までの3
シーズンは安定的にマージンを作ってい ました。MLBでも序盤はNPB時代と
大きく変わらない割合で三振を奪っていた ことがわかります。後半は平均値が上昇
する一方、田中投手の数字は減少傾向に あったように見えます。NPB復帰後は
最初の2年は平均レベルにありましたが、 ここ3年は下落しています。
四球の割合はこんな感じです。プロ入り3年目から 長らく平均の半分か半分強という
数字をキープしており、一貫性を見せてい ました。田中投手の大きな強みはこの四球
を抑止する力にあったのは確かだったと見 られます。力は大前提としてストライク
ゾーンで勝負できるピッチングが可能な 状態を維持できていたのだとみられます。
これもNPBからMLBに活躍の場を移し てもほとんど変わっておらず能力がその
まま発揮できていたようです。 被本塁打の割合の数字はこんな感じで動いて
いました。所属していたヤンキースの 本拠地、ヤンキースタジアムは本塁打が出
やすかったこともあり、MLBでは本塁打 を打たれる割合が平均を超えるシーズンが
多かったようです。その傾向はNPB復帰 後も続いています。
MLBでもトップレベルの四球を出さない 能力を土台に、平均かそれを少し超える
レベルの三振奪取能力のよいバランス で田中投手は活躍を続けていたことになり
ます。渡米直前の日本での3シーズンはこれ に加えて本塁打も抑止することで
スペシャルな存在となっていたという姿が 見えてきます。セーバーメトリクスでは
投手の基礎能力を把握するシンプルな指標 としてK-BB%と呼ばれる奪三振割合
から与えた四球の割合を引いた数字を算出 して比べることがあります。田中投手に
ついてこの数字を出すと、こんな感じになります。 この時代のNPBだと平均は9〜
10%付近、MLBだと13〜14% 付近でしたが、田中投手は20%を上回る
シーズンが4度、それに迫ったケースも 4度ありました。
MLBで主に先発として活躍した投手を 三振、四死球、本塁打に関する数字で比較する
とこんな感じになります。時代によって 環境が異なるのでそのまま序列と考えるの
はやや乱暴ですが、この中での田中投手の 位置付けからも投手としての個性は見えて
くるように思います。 さて、ここまでのグラフを見てきて、渡米
直前の3シーズンは田中投手の絶頂期を 含んでいたという見方をすることに異議は
ないかと思いますが、2011年、 2012年、2013年の中でベスト
シーズンはどれだったと考えるべき でしょうか。24勝を挙げた2013年に
決まっているだろうという声が聞こえてき そうですが、こうして比較すると内容的に
は11年と12年もなかなかの数字だと わかります。三振、四死球、本塁打の数から推定
した推定失点率FIPだと、13年よりも よい値を出しています。
ただ2011年と12年は低反発球が用い られていたことを忘れてはなりません。
そこで失点率のリーグ平均と田中投手の FIPの差を出し、それに投球回を
掛け合わせて平均的な投手と比べたときに 減らした失点を出してみると、こんな感じに
なります。13年の田中投手のFIPは 悪化していますが、これは低反発球からの
脱却により得点環境が変わったことの影響 とみられます。こうやって比べると
2011年と2013年はほぼ同じような 貢献だったということになります。
田中投手は200勝を挙げて名球会入りの 基準に達しましたが、それ以外の角度から
もレジェンドクラスということはできるの でしょうか。今も昔も高い価値を保ち
続ける奪った三振の数で見たとき、田中投手 は歴代10位に入ってきています。プロ
野球の歴史において投手にとってど真ん中 の要素でトップ10に入ってきているの
ですから、記録においても伝説的な投手と 言ってなんら問題はないでしょう。余談
ですが、今期200勝を目指し登板を重ね ている間に、稲尾和久投手をかわしていた
ことには気づきませんでした。両者の記録 は全く違った環境下で作られたものですが
田中投手のスケールをうかがうことができる 出来事と言えます。奪三振は味方の守備や
援護点などとの関わりがほぼない。投手が 自らの力で発生させられるイベントです。
この奪三振の数は、200勝という数字以上の 価値があるという考え方もできます。偉業を
達成した田中のさらなる活躍に期待し ましょう。

ドラマに事欠かないからか、数字で語られるケースが案外少ないような気がする田中投手を基礎スタッツからとらえた動画です。

#プロ野球
#セイバーメトリクス
#田中将大

13 Comments

  1. どの球種が代名詞って訳でもなかったから、パワプロでも「とりあえず全能力盛っとくか……」みたいな査定になってた記憶

  2. セイバーメトリクスを用いて比べるというこのチャンネルの意義からは離れるかもしれんけど、マー君のキャリアハイは絶対に24勝0敗1Sの2013年やな
    ドラマ性が全く違う

  3. 田中のキャリアハイ論争で24勝した2013説vs指標の2011説はよく聞くけど、イニング数控えめな2012も内容の傑出度で良い勝負してるのは知らなかった

  4. ここにきてのダルビッシュとの差は高校時代の投げ方の影響かな…とはなりますな
    しかし指標もちゃんとなんぼか戻しての3勝ゲットなんだと

  5. 田中が与えた四球数が21個、そのうち3個が、今季の奪四球数がわずか20個で、一般的にはO-Swing率がかなり高い部類の打者である上林に対する四球ってとこが何か興味深い。実際、12打席9打数2単打2二塁打1本塁打2外野フライ2引っ張りゴロ。スプリットが武器なのに、三振が一つも取れなかった。今季は過去の自分の投球スタイルと現実の差に、かなりのジレンマを感じていたんじゃないかな。来季はそれを踏まえたスタイルになるのか、過去のスタイルに戻そうとするのか。

  6. マー君の動画なのにダルの化け物っぷりがチラチラ見え隠れしてるんだよな

  7. アメリカでのbb%とかもとんでもない数字だけどやっぱポストシーズン強かったのがほんまかっこよかったな

  8. ふと気付いたんですけど、どこかに入り込んでいくようなBGMと低音軽めの男性の声が何気にアナライズしてる感を高めてますね。

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