映画「縁の下のイミグレ」【技能実習生・ラサール石井・マギー】【ベトナム】

2023年6月公開「縁の下のイミグレ」

《CAST》
ナターシャ
堀家一希
中村優一
猪俣三四郎
マギー
ラサール石井
《原作・原案》
「アインが見た、碧い空。あなたの知らないベトナム技能実習生の物語」
(学而図書刊)近藤秀将 著

監督・脚本/なるせゆうせい
原案・監修/近藤秀将(特定行政書士・社会学者)

ベトナム人技能実習生の賃金未払い問題から、日本の技能実習制度を解説する意欲作。

【動画・全文】

近藤秀将(原案)、なるせゆうせい(監督・脚本)の「縁の下のイミグレ」を鑑賞しました。

技能実習制度についてなにも知らない素人にも、制度の仕組みを、わかりやすく笑いをとりまぜながら解説する密室劇の構成はこの映画の魅力でしょう。

しかし、逆境にくじけそうになりながらも健気に大きな壁に立ちむかっていく主人公・ハインのキャラクター設定やストーリーは、戦後の美空ひばり映画や往年のスポ根漫画を彷彿とさせ、予定調和感がいなめませんでした。

ところで、ニュースやドキュメンタリーでは、劣悪な労働環境で働いたり、パワハラ・セクハラが横行していたり、大けがをしても労災がおりなかったりする技能実習生の情報がクローズアップされることがあります。
作中のハインも、賃金未払いを理由に、司法書士事務所の無料相談窓口に駆け込むことから、ストーリーは始まります。

本作のテーマは「日本の技能実習制度の闇」ですが、そのまま「日本の労働環境の闇」でもあることに気付きます。
作品後半から、ハインがその場にいる日本人に対して毒づくシーンがあるのですが、ハインの言葉はなにも技能実習生だけではなく、日本で生きている日本人の本音でもあるのではないでしょうか?

「クソバエのような人たちが搾取する構造ができあがっています」
「まともな奴ら以外、許可出すなよマジで」
「うちらは安い給料で働いて、(中略)安い賃金で雇おうとしてるんだろ?」

全労働者の四割が非正規雇用、地方公務員やシングルマザーが手取り十五万で生活、外国人の就労支援をしている日本語学校の教師の給料が、生徒の就職先の給料よりも安く、働き方改革の裏で過労死レベルの長時間労働、サービス残業が横行しています。
ブラック企業、ブラック社会に辟易し、引きこもりやニートをしている人々も二百万人近く存在すると言われています。

技能実習制度をはじめとした日本の移民政策は、現代の奴隷労働だ、と声高に叫ぶ人がいますが、そもそも日本の政府が40年近い経済低迷を放置し、増税政策を続けながら、日本人ですら安い給料で奴隷化しているのです。

確かに技能実習生にとって、職場の当たりはずれはあるかもしれませんが、本当に搾取ばかりの制度だったら、なぜ毎年たくさんの外国人労働者が日本にやってくるのでしょうか?
いつになっても生活が変わらない日本人よりも、三年や五年一生懸命働いて、自分の国に家を建てたり、新しく商売を始めることができる技能実習生の方がよほど恵まれているのではないでしょうか?

技能実習制度の本音と建て前を遵守し、技能もなく日本語も喋れない外国人にジャパニーズドリームを与えている現実があります。

もちろん、日本人と外国人の労働者という末端どうしで争うことはしてはなりません。
人権が守られることは当たり前のことです。

筆者が主張したいことは、受け入れる現場の日本人に心の余裕がなければ、外国人に優しく接することはできないよ、ということです。
古今東西、経済が低迷し、国民に心の余裕がなくなると、真っ先に攻撃されるのが外国人です。

日本人の心の余裕をとり戻すためにはなにが必要でしょうか?

それは低迷した経済を向上させることです。
国民全員の生活を真剣に考えてくれて、国民のためにお金を使ってくれる政治家を選ぶことです。

そのためには国民一人一人が勉強して、政治や政治家を見張っていなければなりません。
悪政を働く政治家を選び続けているのは、国民です。

一部の人間が得をする世の中を放置していていいですか?

主人公のハインがベトナムに帰った時、「日本っていい国だったよ」と言える世の中にしたいものです。

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