真夜中の駅 作:内海隆一郎/朗読:高橋大輔
[音楽] 宇竜一郎 真中の 駅24時48分発の終電車が10数人の 乗客をホームに下ろして出ていった 始発駅からおよそ35分終点から3つ手前 にある指鉄の駅である お客さん起きてください 透明の消えたホームで若い駅員がベンチに うくまっている男に声をかけた 携帯ライトの光の中で鞄を抱えた中年男が 乱れた紙を眼鏡の前に垂らし駅員を見上げ て酒臭い息を吹きかけた ホームから出てください電車はもう終わり ましたよ あってくれ 気分が悪いんだ手を貸しますから立ってください動くと吐きそうなんだ さあ立ってお客さんが最後なんですよ出て行ってくれないと困るんです酔った男は動こうとせずにホームの先のがりを指さした そっちの方から密かな埋めき声が聞こえた からだ 俺が最後じゃないだろうまだ人がいるじゃ ないか向こうのベンチに そんなはずはありませんよ今見てきた ばかりなんですから だってほら誰か 駅員が携帯ライトを持ち上げた静まり返っ たホームの先の10mほど離れたベンチに ようやく光が届いた カスかな明るみの中にぼんやり人影が 浮かび上がった おかしいなさっきはいなかったのに 駅員はブツブツいながらそっちへ歩いて いったこれ幸いと酔った男はベンチの上に 横になってしまった お客さんね起きてください しばらくして駅員が男の体をゆったその手 が激しく震えている 変なんですいないんです らないでくれ吐きそうなんだ 誰もいないんですあのベンチのそばに行っ たら消えてるんですよ 駅員の目は釣り上がってしまって歯の根が 合わなくなっている バカ言うなよさっきはいたじゃないか 寝たまま駅員からライトを奪い取って彼の ベンチへ向けたすると光の円の中にまた ぼんやり黒い人影が浮かんだ ほらいるじゃないか 駅員を見返っていったがもう一度光の方へ 目を戻すと人影は書き消えていた 今誰か呼んできますからお客さんこのまま ここにいてください は震え声で言うとすぐに駆け出そうとした その袖を男が捕まえたま待てよそれはない だろうここにいろって言ったって俺は嫌だ よ 酔いの冷めた声で叫んで男がベンチから羽 を来た 2人は先を争うようにして暗いホームを 階段へ向かって走った 出たまた出たぞ員の叫びを背に男は青い顔で改札を走り抜け町への階段を駆け降りていった掃除をしていた中年の駅員が苦傷しながらいのまま交板に駆け込んだらどうするんだ?いい加減にしなよ だって酔っ払いを背負ったりヘドを掃除し たりしなくて済むんですから 若い駅は長い下を出してから窓を開け おい幽霊もういいぞ ホームに向かって叫ぶと音があった 了解業務完了
A・STEPアナウンスフォーラムは、ナレーターやアナウンサー、俳優、声優などが参加する声のプロフェッショナル集団です。このチャンネルでは、ハートウォーミング作品の名手・内海隆一郎さんの小説の読み聞かせをお届けします。
どうぞ、心温まる名作の数々をお楽しみ下さい!
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A・STEPアナウンスフォーラムは、2004年9月に初めて開催されたA・STEP朗読フォーラム「時の過ぎ行くままに」第1回公演で「うたごえ」を朗読して以来、毎回、内海作品を朗読してきました。
2012年6月には鳩山会館において「内海隆一郎を読む~作者を囲んで~」を開催、内海先生にも対談にご出演頂きました。
また、FM世田谷で朗読番組「モーニング・ライブラリー」をスタートするにあたり、内海先生から直接、放送に対する許諾を頂き、これまでに250作品以上を朗読してきました。
この度、インターネットに作品を公開するにあたっては、著作権をお持ちの奥様、内海栄子様に、ご了承を頂いております。
※内海隆一郎先生の作品は許可なく複製、転載などすることはできません。ご注意ください。※
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