縁結びの達人

一生に百組の名行動をすると極楽に行ける 。そんな言い伝えを信じ、中尾さんは68 歳で99組目を達成した。知る人知る 塩結びの達人だ。最近は糖尿病の寿病が 悪化し、体力の限界を感じている。あんた 人の円談ばかり世話やきで自分の娘はどう するの?妻の菊くさんがいつもの口癖後は 1組で極楽へとつく夫に皮肉を込めていっ た道か困ったことに娘の未は10年に渡る 夫さんと別れ3年前から家でくついでいる バツ1の娘を3年も放っておき他人のバツ 2や3の円談ならまとめるくせに菊さんの 言葉は適中中だった。さんは気にかけてい たが、自分の娘の縁結びまでと踏み出せず にいた。しかし菊くさんの言葉で目が覚め た。自分の娘を幸せにできないで極楽など いけるか。長年の経験と人脈を騒動員し、 記念すべき100組目を飾ろうと動き出す 。未知の好みは俳優の元き正弘のような 炭性が美子専業主婦を養える会社があり、 週末はカラオケに連れて行ってくれる趣味 の会う人だ。さんはあちこち探すが、 カラオケ好きで収入も安定した男は 見つかるのに元気の顔立ちは稀れた。 そんなおり事を済ませる中尾さんに声を かけたのはお久しぶりですと高田さん未知 の元夫だ。中尾さんは高田さんを本当の 息子のように可愛がり、別れる前はよく 飲み歩いた中、3年ぶりの再会に2人は タコのおでんが絶品の居酒屋で逆月きを かわす。君はいい男だ。再婚したろ。いえ 、まだです。お父さんじゃなく はありましたが、どんなタイプが好みだ? 楽しい人がいいですね。お父さんすみませ ん。癖でいいさ。君は今も俺の息子だよ。 たった1回の浮気でうちの娘もそう。君は 吉本新劇みたいな明るい子が好きだって 言ってたな。高田さんは未練を滲ませる。 時正広っくりの美男子でカラオケ優秀な エンジニアで収入も申し分ない。中尾さん はひらめえた2人を再び結びつけるのだ。 中尾さんは2人を水族館に呼び出す。 気まずい空気にいいから2人で魚を見てき なさいと一言。長年の経験から踏み出せ ないカップルは水族館デートで不思議と心 が解けるという。の城から出てきた2人は わかを溶かし笑顔でよりを戻した。 めでたしめでたし。さんは上期限でこれで 俺も極楽へ根を張るが菊クさんがやりと 笑うところで新郎神父の父が泣こうした ことになるNo.

縁結びの達人

「一生に百組の仲人をすると極楽に行ける」

そんな言い伝えを信じ、中尾さんは六十八歳で九十九組目を達成した。知る人ぞ知る縁結びの達人だ。最近は糖尿病の持病が悪化し、体力の限界を感じている。

「あんた、人の縁談ばかり世話焼きで、自分の娘はどうするの?」

妻のキクさんが、いつもの口癖「あとは一組(で極楽へ)」とつぶやく夫に、皮肉を込めて言った。

「美智か……」

困ったことに、娘の美智は十年にわたる夫・高田さんと別れ、三年前から家でくつろいでいる。バツ一の娘を三年も放っておき、他人のバツ二や三の縁談ならまとめるくせに──キクさんの言葉は的中だった。中尾さんは気にかけていたが、「自分の娘の縁結びまで……」と踏み出せずにいた。

しかし、キクさんの言葉で目が覚めた。「自分の娘を幸せにできないで極楽など行けるか」。長年の経験と人脈を総動員し、記念すべき百組目を飾ろうと動き出す。

美智の好みは、俳優の本木雅弘のような端正な美男子。専業主婦を養える甲斐性があり、週末はカラオケに連れて行ってくれる、趣味の合う人だ。中尾さんはあちこち探すが、カラオケ好きで収入も安定した男は見つかるのに、本木似の顔立ちは稀だ。

そんな折、繁華街で用事を済ませる中尾さんに、声をかけたのは「お久しぶりです」と高田さん。美智の元夫だ。中尾さんは高田さんを本当の息子のように可愛がり、別れる前はよく飲み歩いた仲。三年ぶりの再会に、二人はタコのおでんが絶品の居酒屋で杯を交わす。

「君はいい男だ。再婚したろう?」

「いえ、まだです。お父さん──じゃなく、中尾さん。何度か出会いはありましたが……」

「どんなタイプが好みだ?」

「楽しい人がいいですね。お父さん、すみません、癖で……」

「いいさ。君は今も俺の息子だよ。たった一回の浮気でうちの娘も……そうそう、君は吉本新喜劇みたいな明るい子が好きだって言ってたな」

高田さんは未練をにじませる。本木雅弘そっくりの美男子で、カラオケ狂い。優秀なエンジニアで収入も申し分ない。中尾さんは閃いた──二人を再び結びつけるのだ。

中尾さんは二人を水族館に呼び出す。気まずい空気に、「いいから、二人で魚を見てきなさい」と一言。長年の経験から、踏み出せないカップルは水族館デートで不思議と心が溶けるという。

案の定、水族館から出てきた二人は、わだかまりを溶かし、笑顔で寄りを戻した。

メデタシ、メデタシ。中尾さんは上機嫌で、「これで俺も極楽へ!」と胸を張る。が、キクさんがにやりと笑う。「ところで、新郎新婦の父が仲人したことになるの?」

中尾さんはぽかんとして、困り果てた。結局、極楽への道は、まだ少し遠いのかもしれない。

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